2011年05月30日

粛々として

政治家が好んで使う言葉のうち、「粛々と」が意味不明だ。何かというと、「粛々と進めていきます」のように返答して、全て足れりとする。日常的でないし、かといって完全な古語でもないし、扱い憎い。今日もテレビのニュースで、民主党の岡田幹事長が「不信任案は粛々と否認している」と述べた。試みにある古語辞典を引いてみたところ、「粛々」は載っていなかった。漢詩特有の言葉なのだろうか。

有名な「鞭声粛々夜河を過る」は、「鞭音も静かに夜の川を渡る」つまり「静かに」の意味だ。川を渡る際に鞭の音を敵に悟られたら、夜襲をかける意味が無くなる。かと思えば、「数十頭の乗馬隊が粛々と進んで行くのは絵のごとく」という表現もある。とても静かとは言えない。「堂々と」と言い換えられる。

さて馬ならぬ議員諸公は、「相手に知られぬように静かに進めていく」のだろうか。「それとも「公開しながら堂々と進めていく」のだろうか。願わくは後者であって欲しいものだが、どうも前者をさらに萎縮して、「考えておく」類いの逃げ口上のようだ。

議員諸君よ、あなたたちは国民の代表として、国会において国民に代わって議席に座っているのだ。時には相手側に知られずに事を運ぶこともあろうが、表に向かってものを申すときは、代表に選んだ国民に、どっち付かずの言辞を弄してはならない。堂々と信ずるところを述べ、国民の負託にこたえなければ、そこにいる意味がないのではないか。



posted by シャノワール at 10:25| Comment(0) | 曖昧表現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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